高卒であることに不安を覚えている20代転職者の方は多いのではないのでしょうか。高卒であることは確かに不利な面もあるのですが、それでも転職を有利にする方法はあります。
今回は実際に高卒で転職に成功した方の例や、高卒でも転職を成功させるコツを解説します。
20代転職者の高卒の割合
そもそも社会の中で20代転職者はどの程度いるのでしょうか。
20代前半では高卒の割合が最も多い
政府統計の「雇用の構造に関する実態調査」によると、令和2年度の転職者の最終学歴は20~24歳では高卒が最も多く、25~29歳では大卒が最も多いという調査結果が出ています。
最終学歴 | 高校 | 専修学校 | 高専・短大 | 大学 |
20~24歳 | 49.0% | 29.8% | 3.6% | 15.9% |
25~29歳 | 20.0% | 14.6% | 6.3% | 51.5% |
さらに、20代の派遣労働者に関しても、大卒や短大卒よりも高卒が最も多いという事がわかりました。
”派遣労働者について、最終学歴をみると「高校卒」が 40.9%と最も高く、次いで 「大学卒」26.8%となっている。”
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/haken/22/dl/haken22_2_01.pdf
20代の社会人のうち、高卒の転職者として同じ悩みを抱えている方や、その中に転職を成功させている方も多いということになります。
ですので、今20代の高卒で転職に悩んでいるという方も、安心して転職活動を進めていくと良いでしょう。
「転職したときの年齢は何歳ですか?」というアンケートによると、200人のうち82.5%を超える165人の方が「とても良かった」、「やや良かった」と回答する結果が出ています。
参照元:転職サイトおすすめ【業種・年代別】
高卒転職者の成功しやすさとは
では実際に高卒で転職活動を行っている方は、どのくらい成功しているのでしょうか。
令和5年3月卒の高校卒業者についての求人・就職状況を調査した統計によると、求人倍率は全国平均3.49倍という結果が出ています。求人倍率3.49倍ということは、高卒の求職者一人あたり3件以上の求人があるということです。
地域別の求人数についての詳細を見ると、いずれの地域も求人倍率が2倍以上であることから、転職者にとって有利な状況であることが分かります。
口コミサイトなどから意見を見てみると、高卒だったが、転職を成功させた方の意見を多く見かけることができました。
高卒とはいえ、転職活動を上手に行うことによって、高卒でも転職を成功させることは十分に可能なようです。
高卒転職者の成功例
では高卒で転職を成功させた方の成功例を見てみましょう。
男性の場合
まずは転職に成功した男性の成功例を見てみましょう。
26歳男性の場合
「前職が全く時間の取れない仕事だったため、自分の時間を作るために新しい仕事を探していました。前の会社に入社した時に給料だけを見て、休暇については全然見ていなかったので、残業や有給について調べてから会社を決めました。
新しい会社に入ってからは給料を少し安くなったけど、自分の時間がとれるし、楽しい生活が送れてるなって思います。」
給与だけが良くても、休みが無かったり、残業が多かったりで自分の時間が作れないのでは、お金を生活以外で使うことはできません。
人生を楽しくさせるのであれば自分の時間が必須です。求人だけの情報を鵜呑みにせず、残業や休日についてしっかり調べておく必要があるようです。
27歳男性の場合
「3回目の転職なのですが、今までは求人だけを見て転職先を決めていました。しかしそれではいけないとアドバイスされたため、今回は転職した企業のことをしっかりリサーチしました。
その後入社してみたら、今までの職場環境とは全く違う働きやすい環境で驚きました。事前の企業リサーチは大切だと思い知らされました。」
企業の事前リサーチを行うことで、働きやすい企業を見つけることができたのだそうです。
高卒の転職者でも、転職のコツを覚えることで成功させる可能性を高めることはできるようなので、転職のコツを覚えて転職を成功させましょう。
23歳男性の場合
「最初は自分のやりたい仕事をやろうと思っていたのですが、実際にやってみたらあまり面白くなくて、すぐに飽きてしまいました。なので今度は自分で資格を持っていた電気系の仕事を受けることにしました。
資格を持ってることが有利に働いたのか、転職もスムーズにいき、仕事も自分のスキルに合っていてスムーズにできるので楽しめています。」
自分でやりたいことと、仕事として出来ることは違います。この方は最初にやりたいことを仕事にしたものの楽しめず、転職で自分ができることに切り替えて転職した結果、仕事を楽しめるようになったのだそうです。
自分がやりたいこととできることは変わってきます、仕事ではできることが評価されるため、やりたいことでもうまく行かなければ仕事としては面白くないことがほとんどです。
やりたいことを仕事にしたい方は多いとは思いますが、あまりこだわり過ぎず、自分ができることを軸にして転職活動を進めるのも良いかもしれません。
女性の場合
続いて女性の転職成功例を見てみましょう。
24歳女性の場合
「お給料が高いところだったので頑張ろうと思ったのですが、上司のパワハラ、セクハラが酷く、すぐにやめてしまいました。ちょうどいい機会と思い、前々からやってみたかった服の勉強をして、今はアパレル関係の仕事をしています。
高校に入る前から服には興味あったし、勉強したことがそのまま活きている感じがしてやりがいを感じています。」
求人では職場の人間性まで掲載されていません。給与だけを見て求人を選ぶと、人間関係に悩まされることもあるので気を付けなくてはなりません。
20代であれば、新たなスキルを取得して転職活動に活かすことは十分に可能です。どうしてもやりたい業種があるなら、しっかりとリサーチし、スキルを身に着けてから転職に活かすようにしましょう。
29歳女性の場合
「結婚を控えていたのですが、前の職場は自分の時間が少なかったため、結婚後のことを見越して退職しました。残業が少ない、休暇が取りやすいといった条件で新しい企業を探し、今の会社にお世話になっています。
しっかりリサーチしたのが良かったのか、今の仕事場は産休・育休がちゃんと取れたので育児に専念できてありがたいです。」
特に20代後半の女性は結婚や出産を視野に入れていく必要があります。しかし産休や育休を拒否する企業や、職場復帰したら居心地が悪くなる企業も残念ながら存在しています。
子供のことも考えて、自由な時間が安心して取れる企業を選ぶのは、女性転職者特有の注意点と言えるでしょう。
21歳女性の場合
「新卒で入った企業をやめて、初めての転職だったので転職サイトを利用しました。初めての転職で不安だった部分をサポートしていただき、自分に合う企業を見つけてもらえたので非常に助かりました。
入社後も職場環境も良く、仕事にやりがいもあるので満足しています。」
転職サイトを利用することで、自分に合った企業を見つけられた方も居るようです。高卒で転職経験が少ない方は、どうやって転職をしたら良いのか分からないという方も居ます。
そういった方は、転職のサポートを行ってくれる転職サイトを利用するのがおすすめです。
高卒のメリットデメリット
体験談から高卒の転職者でも転職は十分に行えることが分かりました。では高卒で転職活動を成功させるには何を意識した方が良いのでしょうか。
メリットとデメリットから、高卒の転職者が意識すべきポイントを見つけていきましょう。
メリット:大卒よりも社会人スキルを磨ける
高卒は大卒に比べて4年早く社会人としての経験や、専門のスキルを磨くことができます。この4年の間に実戦でのスキルを身に着け、同い年で遅れて入社する大卒の新卒者に差をつけることが可能です。
若いうちから人脈を広げられるチャンスが多いのも大きなメリットで、大学生にはない人脈を生かし、自分の地位を早いうちから高められるのも高卒のメリットと言えるでしょう。
メリット:早い段階でお金と時間に余裕を持てる
大卒に比べて4年分お金を稼ぐことができるため、その貯蓄で好きなことを始められるのも嬉しいポイントです。特に日本は年功序列で長く務めるほど給料が高くなる企業が多いため、同じ企業に勤めていれば早いうちから高い給料をもらえるチャンスもあります。
時間に余裕が持てれば自分の好きなことを学ぶ時間も作れますし、やりたいことを仕事にできる可能性も高まるのです。
デメリット:大卒じゃないと受けられない資格や企業がある
専門の学校、もしくは大卒じゃないと受けられない資格や企業があるのが大きなデメリットと言えるでしょう。そのせいでやりたい企業の選択肢が減ります。
また条件の良い企業と言うことは、高卒・大卒問わず転職者に人気であることが多く、ライバルの多い転職活動を行わなければなりません。その際に転職活動で有利なのは大卒というブランドであるため、こうなると高卒の転職者が不利になってしまうということもあります。
高卒でも転職を有利にする方法
大卒の方が転職に有利とは言われますが、ポイントを押さえることで高卒でも転職を有利にすることはできます。ここからは高卒が転職を有利にできるポイントをご紹介したいと思います。
資格を取得する
事務職なら簿記、会計士と言ったように、その業種に対応した資格を取るのが良いでしょう。転職者は早くから働ける人材を求められることが多いため、最初からスキルを持っている転職者の方が転職では有利になりがちです。
面接でスキルをアピールするのも良いですが、履歴書に書ける資格を持っていた方が書類選考も通りやすく、面接官にも強いアピールになります。20代であれば資格を勉強し、それを活かす時間も十分にありますので、一度転職活動をやめて、資格の勉強をするというのもアリと言えるでしょう。
生涯学習のユーキャンが公開している「20代に人気の講座ランキング」の上位10位までをご紹介します。転職に役立つ資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- 第1位:医療事務
- 第2位:マイクロソフト オフィス スペシャリスト
- 第3位:調剤薬局事務
- 第4位:簿記3級
- 第5位:ファイナンシャルプランナー
- 第6位:食生活アドバイザー
- 第7位:宅地建物取引士
- 第8位:実用ボールペン字
- 第9位:心理カウンセリング
- 第10位:ネイリスト
企業を徹底的にリサーチする
自分にとってどんな企業があるかを見つめ、その環境に合った企業を見つけるのが上手な転職です。自分の理想に合った環境の企業を見つけるには、求人の情報だけではなく職場環境についてリサーチする必要があります。
例えば口コミサイトであれば、実際に企業で働いた方の口コミを確認することができるため、人間関係や職場環境の判断材料として使えます。
このように求人には書かれていない情報を集め、徹底的にリサーチすることで定着できる企業に近づくことができます。
転職サイトを利用する
転職サイトは登録することでエージェントのサポートを受けることができるインターネットサイトです。エージェントは登録すると1人付き、求人の紹介や企業のリサーチなど転職活動を手厚くサポートしてくれます。
転職に不慣れな方はもちろん、転職に慣れている方でもスムーズに転職活動を進めることができるためおすすめです。
20代後半の転職者が未経験に感じる不安
20代後半の転職者が抱える不安とはどういったものなのでしょうか。
未経験で採用してもらえるか
20代後半という年齢に差し掛かり、未経験の企業でも採用してもらえるか不安な方が多いようです。20代後半となると企業側もある程度スキルを持っているものと思っていることが多いイメージがあります。
そのため未経験だと不利になるのではと不安になる転職者が多いようです。ですが20代後半の人材を欲している企業は多く、未経験でも採用している業種が増えています。
また20代後半であればスキルを学ぶ時間もあるため、転職前にその企業に関するスキルを自分に入れて、転職活動に活かすこともできるのです。
人間関係に馴染めるか
年齢を重ねるにつれて未経験の企業に入社すると、年下の先輩ができる可能性が高くなります。未経験の企業では年下の先輩や上司との人間関係を新たに構築しなくてはなりません。特に人付き合いが苦手な転職者は、新たな人間関係を築くのに不安を感じています。
ただ他の人は思ったより人を悪く見ているなんてことはあまりありません。むしろ仕事を効率的に進めるのであれば、良い方向に人間関係を進めた方が仕事もスムーズにいくため、最初から人間関係を悪い方向に持っていこうとしている方は多くはありません。
ですので未経験の企業だからといって人間関係に臆病になることはなく、常識的な態度で接していれば円滑な人間関係を築くことができるので安心してください。
収入が安定するか
20代後半となると結婚や子育てによる出費も視野に入ってきます。しかし未経験だと収入が低い可能性が高いため、入社しても十分なお金がもらえないか不安になる転職者が多いようです。
収入は最初こそ安く見えるものの、日本では1つの企業に定着することで給料を上げることができます。全ての企業がそうであるという訳ではありませんが、年功序列で給与が上がる企業が多いため、1度定着できる企業を見つけることで安定した給料が手に入れられます。
ですので未経験の企業でも、定着して長く働くことができれば、安定した収入を手に入れることができるのです。
未経験転職した20代後半の成功例
実際に20代後半で未経験の企業に転職して成功した方も中には居ます。では20代後半で未経験の転職を成功させた方の実体験を見てみましょう。
28歳男性の場合
「自分は今の時代の流れに合ったWEB系の仕事がしたいと思ってプログラミングの勉強を始めました。元々パソコンをよく使っていて、好きな分野だったので勉強もはかどりました。
資格も取って転職に活かしたら、そのスキルを買われてすぐに採用が決まり、今ではサイトデザインの仕事をしています。給料も良いですし、需要があって仕事が無くならないので、安定して働き続けられると思います。」
未経験ということで事前に勤めたい企業のスキルを学んでおき、それを転職活動に活かしている方が、成功した方に多いようです。
29歳女性の場合
「私はアパレル系の仕事に就きたかったのですが、未経験だと営業職か店舗での接客がスタートの企業が多かったので、営業職から始めようと思いました。
元々知らない人とコミュニケーションをとるのはそんなに苦ではなかったので、仕事にもすぐに慣れましたし、アパレルに関する知識も身につけられたので良かったです。
今では企画職として新しい製品の企画やユーザーの意識調査などを行っています。昇進して給料が高くなったので、今では未経験で営業職から飛び込んで良かったなと思います。」
この方は未経験で営業職から始め、自分が働きたいと思っていた業種で、一定の地位を手に入れることができたようです。
安定した地位に位置したことで、仕事にもやりがいを感じるようになるのは、転職に成功していると言えるでしょう。
20代後半の転職者でも高収入が狙える転職法
20代後半の転職者が高収入を得るには、転職活動でちょっとしたコツをおさえておくことが大切となります。そこで転職のコツをこの項でご紹介したいと思います。
将来のキャリアを目標にする
目の前の給与や待遇だけを見るのではなく、将来のキャリアを目指すのが成功のコツです。求人で初任給が高く、未経験を歓迎している企業は、ブラック企業である可能性が高いです。日本では最初は給料が低くても、スキルを磨いていくことで安定した地位や給料がもらえる企業が多くあります。
またキャリアがあれば、別の企業に転職するときも役に立ちます。未経験で最初から給与の高い企業を狙うのではなく、ある程度の期間働いてキャリアを形成したいと思う企業を目指すようにしましょう。
企業のリサーチを徹底する
長く働く企業を見つけるためには、求人情報だけを見て転職活動を進めるだけではよくありません。なぜなら求人情報以外にも企業について知って起きた情報があるからです。
例えば職場の環境や人間関係は求人情報には載っておらず、求人以外の所から情報をリサーチしなくてはなりません。しかしそれをせずに入社してしまい、悪い職場環境に嫌気がさしてやめてしまうのでは、転職に成功したとは言えないですよね。
ですので実際に入社する前に口コミサイトなどを利用して、企業を徹底的にリサーチする必要があるのです。
転職サイトを利用する
転職サイトとは無料で登録するだけで、様々な転職サポートを受けられるサービスです。転職エージェントが登録時に一人付き、マンツーマンでサポートが受けられるので、転職者に合った転職活動を行えます。
サポート内容は転職者にあった求人を紹介してから、履歴書や面接で採用されやすいコツを転職者に教え、転職者が成功できるように導いてくれます。また転職者に合った企業を見つけるのが転職エージェントの仕事であり、転職者が働きたい職場環境かどうかを調べるのも転職エージェントの仕事です。
転職前に転職したい企業の内部事情を詳しく知ることができるため、転職サイトを利用すると転職の成功率が高くなるのです。その他詳しい情報はこちらの記事で詳しく紹介しています。
自分に合う転職サイトがどういったものなのか、気になる方はこちらを参考にしてみてください。
20代後半で未経験でも転職できる仕事4選
20代後半で未経験の企業に転職することは可能なのでしょうか?20代後半という年齢で未経験だと、様々な不安で転職できるかどうか迷ってしまいます。しかし実際に20代後半で未経験から転職した世界で、成功している方も実際にいます。
このように20代後半で転職を成功させるには、様々なコツを駆使して転職活動に取り組む必要があるのです。
そこでこの記事では、未経験でも20代後半の方が転職に成功できる方法を解説いたします。自分なりの方法で転職の不安を解消し、未経験から満喫できる社会人生活を送りましょう。
営業職
営業職はほぼ全ての企業で必要となる仕事で、どの企業でも未経験で入社できる可能性の高い職種です。未経験から入社でき、企業に関するスキルが必要な仕事であることから、やりたい仕事のスキルを学びながら働くことができます。
そのスキルを活かして別の職種に移ったり、営業職としての経験が活きる企業に転職することで成功に役立てることができるでしょう。コミュニケーション能力とプレゼン力が必要となりますが、営業職を続けながら学ぶこともできるので、20代後半でも未経験から挑戦できる仕事の1つと言えます。
事務職
事務職は特に女性に人気の仕事です。未経験でもパソコンが利用できれば基本的な仕事ができて、どの企業でも必要な仕事なので様々な企業で働くことができます。
さらに簿記やMOSなどの資格を取れば採用の確率が上がるほか、給料アップも視野に入るでしょう。企業をやめても事務職は様々な企業にあるため、転職時にスキルを活かしやすいのも嬉しいポイントです。
介護職
介護職は人材不足が深刻であり、未経験でも歓迎している企業や施設が多くあります。介護職も介護士などの資格を取得することで、給与を高めることができます。
ただ体を使う仕事であるため、ある程度肉体労働に耐えられる体力があると良いでしょう。
システムエンジニア
システムエンジニアはプログラミングの知識で企業の情報管理、WEBデザインなどを行う仕事です。現在需要が拡大しており、プログラミングのスキルを持った転職者を求めている企業は多数あります。
これからますます広がっていく分野であるため、プログラミングに関する本や講習を行っている場所も多くあります。それだけプログラミングは学ぶチャンスもあり、未経験でも飛び込んで結果を出せば、これからの時代に安定した仕事を貰うことができるでしょう。